キャリアコンサルティング技能検定の1級は現時点ではキャリアコンサルティングに関する試験では最高峰の指導者レベルであります。
2016年度の試験が第6回試験であり、今まで流動的であった論述試験の出題形式がだいぶ固まってきたような様相を見せています。
時間は120分、必須問題および選択問題から構成されており、選択問題は、企業分野、需給調整機関分野、教育機関分野の3分野から1つ選択します。選択した分野を解答用紙に示す必要があります。
選択分野に関しては、ご自身の活動分野で選ぶか、あるいは、特定の分野が解答しやすいと言われる背景からそちらを選ぶのか(どの分野であるか、こちらでは言及いたしません)、それは好き好きであると言えましょう。
逐語記録(概略)を読んで解答していく形式は2級と同様です。しかし設問がもちろん異なります。
必須問題の設問は次のとおり。
問1 この相談者Aについて、どのような問題があるか、あなたの考えをその根拠を含めて記述せよ(15点)
問2 この事例相談者の相談者Aへの対応について、どのような問題があるか、あなたの考えを記述せよ。(15点)
問3 あなたが、この事例相談者の立場なら相談者Aに対してどのように対応するか、あなたの考えを記述せよ。(20点)
選択問題の設問は次のとおり。
問1 この事例相談者が抱えている問題は何か、あなたの考えを記述せよ。(10点)
問2 この事例相談者が抱えている問題に対して優先して取り組むべき目標は何か。またその目標を達成するために、効果的な支援を行う方法や内容について具体的に記述せよ。(20点)
問3 この事例相談者が相談者を支援するために必要なネットワークや環境への働きかけは何か。またなぜそれが必要であるか根拠を記述せよ。
設問の数と時間の関係は2級とほぼ同じ割合になりますが、逐語記録は2級の問題よりボリュームが当然ありますので読んで解答するだけでも骨が折れます。
第6回は試験対策がなされていた傾向があるのか、時間満了を待たずして退席される方がちらほら見受けられましたが、多くの方は時間をいっぱいに使って、解答作成されていた印象を受けました。
これから論述試験を紐解いていきましょう。