なぜか、ロールプレイのちょっとしたコツはなかなか教えてもらえないこの不思議。
人それぞれのやり方があったり、テクニックに走ることを異常に嫌う方がいらっしゃる背景があるかと思いますが、ちょっとしたコツでよりよいカウンセリングが相談者に届けられるのであれば、テクニックも必要善であると私は考えています。
第5回目は、自己開示についてです。
ここは大きく勘違いしている方が多くいらっしゃるポイントです。
自己開示ということは自分のことを話すことですが、「傾聴」をベースに進めるカウンセリングでは、カウンセラーからの自己開示は自らいそいそと進んでするものではないということをついつい忘れてしまうのです。
クライエントが話す言葉について、カウンセラーが共有できる知識を持っている場合、ついつい自分も「知ってるよ」とアピールして、親和性の構築に走ろうとしてしまいますが、これは好ましくありません。
理由は簡単です。カウンセリングは、クライエントの自己成長の為の時間であって、カウンセラーと仲良くなるための時間ではないからです。
CL:「息子が部活をサッカーをやっていて土日の休みもないのです…」
とCLが話したときに、ついつい、
CO:「うちの息子もサッカー部でした。お休みがなくて大変ですよね。」
と伝え返したくなりますが、それでは、CLの話を奪ってしまうことになります。そうではなく、CLが息子さんがサッカーをされていて土日の休みもないことを伝え返して、そのCLの発言の思いを展開していく応答を心がけるのです。
話が進んで、CLからCOに対して、質問があった時には、質問されたCLのお気持ちをCL自身に吟味していただきながら、最後の最後に自己開示をしていく。
このポイントはみなさん忘れがちになっています。主役はあくまでもCLということをお忘れなく。