なぜか、ロールプレイのちょっとしたコツはなかなか教えてもらえないこの不思議。
人それぞれのやり方があったり、テクニックに走ることを異常に嫌う方がいらっしゃる背景があるかと思いますが、ちょっとしたコツでよりよいカウンセリングが相談者に届けられるのであれば、テクニックも必要善であると私は考えています。
第9回目は、わざと一呼吸飲む かぶらない です。
カウンセリングを学ぶ前に、私自身も勘違いしていたころがあったのですが、テンポよく、クライエントとカウンセラーの会話が進むことは、望ましいと思っていました。ぽんぽん会話が進んで、話がはずむ状態が望ましいと。
話がはずむことが悪ではありませんが、多くの場合、実は、くらいえんともカウンセラーも話したいことを話せていないケースがあるようです。
話が弾むことで上っ面になってしまう状態です。
それに気づく前は、たとえば20分の面談ならそこにいかに話を盛り込むか、と、合いの手のような応答をしたり、クライエントの話す言葉に間髪いれずに、むしろかぶり気味に答えたりしていました。盛りだくさんにはなりますが、面談が深まっていかない状況です。
自分のもっているテンポとは異なりますが、あえて、クライエントの話すことに対して、一拍待つようにしてから、余韻を与えてから応答を心がけると、クライエントは思わぬことを話すようになりました。
わざと一呼吸飲んで、クライエントの話にかぶらず、クライエントが内省する時間を0.3秒でもいいから残す。
きっかけはなんと言っても、間髪入れずに話をされるカウンセラーの方に対峙したことでした。話しているうちに、話は流れていくのですが、だんだん話すのが面倒になってきてしまったのです。まるで自分の話を遮られているような感覚です。
もし、ご自身が、話をポンポン進めるタイプのカウンセラーであるとお感じならば、一度同様のタイプの方のカウンセリングを受けてみることをおすすめします。いかにご自身がクライエントの話を遮っているか気づくチャンスになると思います。