なぜか、ロールプレイのちょっとしたコツはなかなか教えてもらえないこの不思議。
人それぞれのやり方があったり、テクニックに走ることを異常に嫌う方がいらっしゃる背景があるかと思いますが、ちょっとしたコツでよりよいカウンセリングが相談者に届けられるのであれば、テクニックも必要善であると私は考えています。
第10回目は、感情への応答 です。
技法のなかでも、「感情への応答」をニガテだなと感じる方が少なくありません。
特に、男性の方で、部下をもっていらっしゃる、年齢が上、また、すでに士業等で実務をばりばりされている方にとっては、「いかに効率よく相手とコミュニケーションをとるか」という視点でのやりとりがすっかり身についていらっしゃるので、「感情」にフォーカスすることにお慣れでない、ということがあるようです。
確かにいままでビジネスのシーンでそうやっていらしたので、急に、技法だからと言われてもうまくふるまえないですよね。わかります。
でも。この感情への応答が、産業カウンセラー試験でも、キャリアコンサルタント試験でもともに相談者との関係を築きあげていくカギでもあるので、避けては通れません。
避けて通れないのであれば、ちょっとしたコツをつかんで、できるようになってしまいましょう。
短い言葉で返すことは今まで伝え返しでもお教えしましたが、それが、感情への応答でも有効です。感情を示す言葉のみをピックアップして返すだけでも十分です。
そして、その際に、わざとスピードを落としてみてください。
「~~~~ということがあって本当に腹が立ってしまったんです。」
⇒「…はらが、たってしまった…」
こんな感じでいいんですね。さらに欲を言えば、その時の、CLの表情をちょっと真似してみたりしてもいいです。
感情への応答に苦手意識がおありの方で、感情に伝え返しをするように、とお伝えすると、みなさん、苦手意識が先にたって、すごく早く、間髪いれずに伝え返しなさるんですね。
すると、間がもたないのです。ピックアップする言葉は短く、でも伝え返しはゆっくりと。これを心がけてみてください。