厚生労働省が地域別最低賃金の改定額に関して資料を公表しました。
29年度の答申ということで、実施が本年の10月あたり。ということはこのデータそのものは、今年度、29年度に出題されるものではありませんが、当該データをチェックすると、昨年度つまり平成29年4月の段階での最低賃金も読み取ることができます。
また、今年度のデータの【平成29年度 地方最低賃金審議会の答申のポイント】という部分では次の3点が述べられています。
・改定額の全国加重平均額は848円(昨年度823円)
・全国加重平均額25円の引上げは、最低賃金額が時給のみで示されるようになった平成14年度以降、昨年度と並んで最大の引上げ
・最高額(東京都958円)に対する最低額(高知県等8県737円)の比率は、76.9%(昨年度は76.6%。なお、この比率は一昨年度から3年連続の改善)
つまり、全国加重平均(加重は別途説明しますね。今は、そうですか、と思っていただければいいですよ。)は昨年度から引き上げがあるということです。時給あがってるんですね。
そして、あわせて、完全失業率もチェックしておきましょうか。
平成28年度は3.1%
そして、平成29年3月は3%を下回る2.8%になっています。
統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 平成29年(2017年)6月分結果
キャリコンの試験は社労士試験とは異なるのでこの2.8%や、3.1%の数字を掛け算九九のようにすらすら言える必要はありません。
覚えておくことは、完全失業率は3%前後で推移しており、大きなトレンドとしてはやや減少傾向にある、ということです。
とくにCCCが好きな問い方としては、細かい数字よりも、むしろ、メルクマールになるきりがよい数字を出してきて正誤を問います。
例)平成29年4月現在の我が国の完全失業率は5%前後で推移し、やや減少傾向にある。
○か×かというと、×ですね。これは2.8や3.1を覚えなくても、3のあたり、とおぼえておけば、すぐに5%という数字がおかしいから×とわかるのです。
試験が近くなると細かい数字を覚えなければ、と焦りますが、必要ありません。目安になる数字と、増減の傾向をとらえるだけで大丈夫です。
最後に加重平均。これはしらなくてもよいことですが、知っておくとイメージがわきやすいことです。
平均はそれぞれの数値のおしなべただいたいの期待値を表すものだと思います。言葉の説明をこうやってすると余計にわからなくなるかもしれません(笑)
ここからは試験には全く関係ないことですが、社会人として知っておきたい話です。SPIみたいなことなんですけどね(笑)。
加重というのは、その数値にどれだけ要素が存在しているか、ということを加味します。
たとえば、100円と300円のお小遣いをもらえれば、平均は200円。これはすぐに計算できます。まんなかですよね。
しかし、100円お小遣いもらえるときが1回あり、300円もらえるときが3回あったとします。すると、単純平均は200円ですが、加重、つまり、回数を加味すると、平均は
(100×1+300×3)÷4 = 250(円)
となります。
先にしめした最低賃金の加重平均はその都道府県ごとの人数(単純に人口なのか労働人口なのかは調べていませんw)を加味して平均をとっているということです。
数値をみると700円台の県が多いのに、加重平均はそれを超えている、つまり、高額の都道府県の人数が多いの加重平均額があがっていくということがデータから読み取ることができるのです。